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戸ノ口原古戦場と十六橋

今回の会津旅行は「新選組展2022」がメインの目的だったワケですが、
自家用車で行った最大の理由は「ついでだから母成峠も見ておきたい」と
いう願望があったからです。
行きは高速道で会津若松まで来ちゃいましたが、帰路は東軍が母成峠から
滝沢本陣まで撤退してきたルートを逆に辿っていこうと、思ったのであります。

ところで、ココから先の行程は歳月堂さん発行の「ふぃーるどわーく 会津
東編」を大いに参考にさせていただきました。
この場を借りて御礼を申し上げます。

滝沢本陣は前回の記事で触れました。その前の道をそのまま東に進めば
すぐ上り坂になり、峠道へと入っていきます。滝沢峠から戸ノ口原、猪苗代
へ続く道は二本松から会津若松へ至る裏街道だったようです。
旧道はそのまま西に延びて滝沢峠を越えて金堀へ伸びていくようですが、
車ではいけないので北東方面に延びる車道の峠道を上り下りしながら、金堀
へ到達。そこから強清水へ向かいます。
「ふぃーるどわーく」によれば、このルート沿いにいくつかの戊辰戦争戦死者の
墓が点在するとあります。ただ、車が入っていけそうもなく、近くに止めてちょっと
歩いて探してみたりしたのですが、夏で草も伸び放題になってるので断念して
先に進みました。
強清水から滝沢バイパスに合流して西に進めば、戸ノ口原古戦場跡です。

戸ノ口原古戦場跡2a
古戦場跡の戦死者墓群。
戸ノ口原で新政府軍と戦い、戦死した会津藩戦死者たちの墓。

この辺り一帯は開けた草原で、現在でも民家などがあまり無いので、もしかする
と戊辰戦争の頃も同じような景色だったかもしれません。
戸ノ口原は会津勢が400名ほどで布陣し、十六橋を渡って進んでくる新政府軍を
待ち構えていました。この中には白虎隊二番士中隊37名も含まれています。
新選組や大鳥圭介の伝習隊はこれより先の母成峠で新政府軍と戦ったものの、
突破され多くの兵を失い、猪苗代に撤退。さらに会津藩が猪苗代城を放棄した
ため、鶴ヶ城城下へ退いていました。

さて、戸ノ口原の守備隊ですが400名いた兵も、その中身は農民や神職・僧侶
などで構成された隊もあり、武器も火縄銃や刀槍が中心だったといいます。
慶応4年(1868)8月23日、夜明けとともに戦闘開始。
会津側は兵力・火力ともに勝る新政府軍に太刀打ちできず、沓掛峠、滝沢峠へと
戦いながら後退していったのです。

戸ノ口原古戦場跡を出て東に進めば、見えてくるのが猪苗代湖です。
猪苗代湖に注ぎ込む日橋川下流部に掛かる橋が十六橋です。
滝沢バイパスから北に入る細道を入ると、橋の手前まで車で行けますが、かなり
道が細いので注意です。

十六橋2a
十六橋。向かって左側が日橋川。右側が猪苗代湖。
写真の向こう側から新政府軍が橋を渡ってきました。

母成峠を突破した新政府軍は猪苗代に進撃。会津が城を放棄したため、難なく
8月22日の昼には猪苗代城下を制圧してしまいます。
鶴ヶ城では猪苗代から若松へ敵を入れさせないため、最短ルートである十六橋を
落とすことに決めます。十六橋が渡れなくなれば、日橋川を上流まで上るか、湖を
大きく迂回するか、船で渡るか、いずれにしても時間稼ぎができます。
会津藩は佐川官兵衛らが兵を集めて戸ノ口原へ出陣。十六橋を破壊しようとしますが、
すでに新政府軍は橋の対岸まで来ており銃撃を開始。会津藩兵らは橋を落とすこと
ができず、戸ノ口原へ撤退したのです。

十六橋は幕末ファンにとっては以上のようなエピソードが先立ちますが、別の見方を
すると猪苗代湖の水位を調整するための水門橋でもあり、こちらの見方の方が主流
のようです。水利が悪く不毛の地だった郡山の安積地域に猪苗代湖の水を引く事業
が安積疎水で、十六橋もその一環として明治以降作り変えられたからです。
現在の十六橋前には、当時工事の指揮を執ったオランダ人技師ファン・ドールンと
いう人の銅像が置かれていたりして、会津戦争に関する説明版の類はありません。

さて、このまま橋を渡って猪苗代方面に行きたかったのですが、車止めがありバイク
や自転車でないと渡れそうにありません。車ならスーパーセブンあたりじゃないと
無理だと思う・・・。
滝沢バイパスに戻って猪苗代を目指します。


「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



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[ 2022/08/31 ] 史跡へゴー | TB(0) | CM(0)

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