梅雨と斎藤一

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慶応3年(1867)6月22日、新選組副長助勤を勤めていた武田観柳斎さんが、竹田
街道の銭取橋付近で何者かに殺されました。
観柳斎は新選組を裏切り、薩摩藩へ走ったので新選組の手にかかり暗殺されたのだと
云います。その暗殺者が篠原泰之進と斎藤一だったのです。
なので、もう一度この世に生を受けた観柳斎さんが、ようやく果たしたささやかな復讐劇を
描いてみました。

ところが最近では、観柳斎さんを殺したのは斎藤さんたちではない、という説が一般的に
なっています。なぜなら、斎藤、篠原の二人はこの年の3月すでに伊東甲子太郎らと共に
新選組を分離していたからです。
新選組から別れた者に、暗殺命令を近藤さんが出すのはいくらなんでもおかしいだろ、
というワケです。そりゃ確かにそのとーり。

では、なぜ「斎藤犯人説」が長い間云われていたのかというと、当時西本願寺の寺侍を
していた西村兼文が書いた「新選組始末記」に、観柳斎暗殺が慶応2年9月28日だと
書かれていたからなんです。で、司馬遼太郎が「新選組血風録」のような有名な小説に
もそのまま書いちゃったもんだから、世の中に定着してしまったんでしょうね。
その後、尾張藩士の書いた「世態志」という記録に、この事件が慶応3年6月22日に
起きたことだと書かれてあることがわかり、「斎藤犯人説」が一気に疑われることに
なりました。

西村さんは、なぜこんな日付の間違いをしたのでしょう?
京都の三井両替店の記録に、観柳斎さんは慶応2年10月に新選組を脱退したことが
書かれてあります。おそらく、西村さんはこの脱退の時期と暗殺された日を混同して
しまったのではないか、というのが近年云われていることです。

まぁ、斎藤さんではないにしても、観柳斎さんが新選組の誰かに消されたことは間違い
ないのでしょうけどね。


「これは人間の脳ミソをトコロテンにする機械だよ、和登サン」


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#754 武田観柳斎と竹田街道
西村兼文『新撰組始末記』は、貴重な史料ながら、怪しい箇所が意外にありますね。
例えば、安富才助は江戸で阿部十郎に殺害されたと書かれてますが、
どうやら違うらしいことがわかった、と聞きました。

武田が殺された場所を竹田街道の銭取橋付近とする説も、どうなんでしょう。
銭取橋がかかるのは、東洞院通を南下して伏見に至る東竹田街道。
しかし、『世態志』は現場を「油小路竹田街道」としているそうで、
これは油小路通を南下する西竹田街道と思われ、銭取橋は通りません。
どちらが正しいのか、はたまたどちらも事実とは違うのか、謎です。

吸血する蚊はメスだけだそうですが、蚊ン柳斎も女の子なのかしら?(笑)
どっちにしろ、次はもっと寿命の長い生き物に生まれ変わるとイイネ!
#755 東屋梢風さま
ワタクシ、京都の地理は不案内なのですが、「世態志」を書いた人物も京都の地理に
詳しい人物だったかは怪しいですね。場所の間違いはあるかもしれません。
観柳斎は姑息な中間管理職というイメージで語られますが、けっこう戦闘場面での
出動回数も多いですし、近藤の出張にも同行していますし、文武とも有能な人物だったと
思います。もう少し、評価を上げてもいいのではないでしょうか。

血を吸う蚊はメスだけ・・・あぁ、やはりソコを突かれましたね(笑)
蚊ン柳斎の復讐心が自然界の常識を上回ったというコトで・・・。
#764 斉藤さまとお会いできました(ハァト)
久々の斉藤さまと、イッセーさまのページで嬉しいランデブー♥♥♥

一昨日、何度投稿してもはじかれてしまって、悲しかったのですが、
今日は入るかな?

最後の将軍といい、「新選組血風録」といい、司馬遼太郎先生が美化したり悪者に仕立てたりしたキーパーソンの、後世への功罪は大きいですよね。
歴史と小説はまたベツモノのはずですが、血沸き肉躍る司馬先生の筆致についつい引き込まれ、それをイメージとして歴史を語るひとのなんとおおい事か。
って、自分もそんなところがありますが、事実は小説よりも奇なり、もしくはシンプルなり、なんでしょうね。

観柳斉先生、斉藤一の刀に血を吸われ、今度は仕返しに血を吸いに来られたのですね。
一生分吸っても、へともなさそうな斉藤さまの風情ですが・・・(爆)

ねぼけていたのか、手違いがあったようで、申し訳ありませんでした。
詳細はメッセージでお伝えしてあります<(_ _)>
#765 美雨さま
斎藤さん、人気ありますねぇ。

小説や、最近ではマンガやゲームといったところから歴史に入るのは全然OKだと
思います。ワタクシもテレビ時代劇から江戸時代ファンになりましたから。
だって、年号と事件しか教えない学校の授業じゃ、歴史好きになんかなれない
ですよ。

小説などフィクションから入っていき、ノンフィクションや史料で「実のところは
どうよ?」と納得して、わかった上でさらにまたフィクションを楽しむ・・・
(自分で創作なんかもしてみたり)ワタクシはこのように歴史を楽しんでおります。
#772 管理人のみ閲覧できます
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