FC2ブログ

江戸楽アカデミー「世間を騒がせた江戸の女性たち」

先日、東大和市内の公民館グループのご依頼で、「東大和市の農兵」の講座を
行いました。市民向けの講座で、あまり市外への告知もしていなかったのですが、
どこで聞きつけたのか都内からいらっしゃった方もいたり、またTwitterで日にち
を知りませんでしたというフォロワーさんがいたりで、感謝するやら心苦しいやら
でした。

というわけで、この先、ワタクシが講師を務めさせていただきます講座やまち歩き
ガイドで、一般参加者向けのものはコチラのブログでも告知させていただくことに
いたしました。

今回ご案内いたしますのは

江戸楽アカデミー 2018年 夏期・秋期講座
世間を騒がせた江戸の女性たち

②八百屋お七 芳年a

開催日時 2018年9月8日 10:30~12:30
会場 小学館集英社プロダクション・SP神保町第3ビル
    (東京都千代田区神田神保町2-18)
講師 関 一成
受講料 3、240円
定員 38名
講座内容 "江戸時代、広く世間を騒がせたさまざまな女性たちを取り上げて、軽妙な
トークを織り交ぜながら講師独自の視点で解説をします。八百屋お七をはじめ、数々の
心中事件や歌舞伎にもなった出来事など、お題の学習にも役立つ江戸の女性にまつわる
事件簿です。(2018年春期定員超のため追加実施・内容は同じです)

今年、「江戸文化歴史検定試験」のお題(出題テーマ)が「江戸のヒロインたち」ということ
になっておりまして、コチラの講座は受験対策を意識した講座になっております。
とはいうものの、特に受験を考えていらっしゃらない方でも十分に楽しんでいただけるよう
な内容になっております。

取り上げるのは、よみうり(かわら版)やお芝居に取り上げられた事件を起こしたり、話題
となった女性です。
上の写真の八百屋お七や、江島生島事件の江島など大きな事件の中心となった女性。
また、曾根崎心中や心中天網島など、心中ブームを作った事件の真相などなど。

また事件を起こした女性だけでなく、美人として話題をさらった女性もご紹介。
⑭寛政の三美人a
寛政の三美人を描いた「当時三美人(喜多川歌麿)」

幕末開国後の騒動の犠牲となった女性にもスポットを当てます。
コチラは「ふるあめりかに袖は濡らさじ」の歌で知られる喜遊。
⑱喜遊 芳年a
画・月岡芳年

ご興味のある方、お申し込みは、「江戸楽アカデミー」のHPをご覧ください。
江戸楽アカデミー クリック!


                        

先日、ワタクシ自らの不注意で効き手をケガしてしまいまして、傷もさることながら、
右手が「スタルヒン投手愛用のグローブ」くらいに腫れ上がってしまいました。

0100432353806837efcf6001fe8ad826d2e5b55cfea.jpg

そんなワケで、今回はイラスト無しってことで。
生まれて初めて破傷風のお注射したわさ・・・(涙)



江戸検のお受験を考えていらっしゃる方はコチラをどうぞ。
※ワタクシの講座受講には必要ありません。


「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へ
にほんブログ村


にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ
スポンサーサイト



オレデミー大賞 2018年中間発表 4月期

4月期は、コメディタッチのドラマに佳作が多かったように思います。

10位 デイジー・ラック NHK 金 22:00
 9位 あなたには帰る家がある TBS 金 22:0
 8位 モンテ・クリスト伯 華麗なる復讐 フジ 木 22:00
 7位 ヘッドハンター テレ東 月 22:00
 6位 シグナル フジ 火 21:00
 5位 ブラックペアン TBS 日 21:00
 4位 崖っぷちホテル 日テレ 日 22:30

「デイジー・ラック」30歳手前女子の同級生4人、そのなにげない日常ドラマ。パン職人
を目指す主人公の佐々木希と、その友人らの仕事と恋愛事情。これが現実をリアルに
描いているのかおっさんにはわかりませんが、わりとこういう地味なストーリーのNHK
ドラマは好きです。
佐々木希は結婚してから、芝居が上手になった感じがします。
20代女子4人のドラマって括りで「いつかティファニーで朝食を」を彷彿させましたが、
たぶん両方のドラマに徳永えりが同じような役柄で出ていたからでしょうね。彼女は
派手さはないですが、演技の幅が広くて私の大好きなバイプレイヤータイプの女優です。
今後も期待しております。

「あなたには帰る家がある」タイトルは沢田研二往年の名曲「LOVE 抱きしめたい」の
歌詞みたいですが、全編に渡る木村多江のストーカー恐怖劇場がドラマの正体。
薄幸美人顔と云われる木村多江がストーカーになると、いろんなモノを背負っていそう
で怖さ倍増します。玉木宏は「残念な夫。」とほぼほぼ同じ設定。似合うわ、こういうキャラ。

「モンテ・クリスト伯」これもある意味コメディですよね。海外の古典小説を、なぜ現代の日本
に置き換えてドラマにしなきゃならないのか?リアル感が薄くなるのは当然で、ドラマの
世界観が「お金をかけた学芸会」みたいに感じます。だいたい、真海(ディーン・フジオカ)に
会った人が誰一人として、昔騙してこの世から抹殺した昔の友達と気づかないってのは、
どうよ?そんなにビジュアル変わってないじゃない。

「ヘッドハンター」テレ東がドラマBizという新シリーズドラマ枠を作りました。タイトルからして
ビジネスシーンを舞台にした連続ドラマを作っていくのでしょうね。その第一弾がこのドラマ。
徹底してクールな話を作っていこうという意思は感じられました。かつてのテレ東の名作
ドラマ「刑事追う」を目指して頑張っていただきたい!

「シグナル」過去と現在が交錯し、未来が変わっていくという、漫画やアニメだとよくあるような
設定ですが、ドラマとなるとやや分かり辛いですね。北村一輝演じる刑事がどうなったのかと
いう縦軸がドラマを引っ張っていましたが、警察が自らの利益を守るため無関係の人を殺す
というのは、さすがにありえない話でリアリティに欠けます。原作は韓国とのことで、かの国では
そんな話もリアリティがあるのかもしれませんが。

「ブラックペアン」前期の同枠が「99,9刑事専門弁護士」でなかったら、敵役の大学教授は
市川猿之助ではなく、中車こと香川照之だったのでしょうね。カエサルとかダーウィンとか手術
支援ロボットが出てきて、医療ドラマというよりSFドラマみたいでした。まぁ、手術シーンの苦手
なワタクシにはそのぶん、見やすかったです。ロボットを遠隔操作する二宮和也はゲームしてる
ようにしか見えないと、ネットの書き込みにありましたが(笑)

「崖っぷちホテル」往年の名作ドラマ、田宮二郎主演「高原へいらっしゃい」を思い出された方も
多いのではないでしょうか。街から離れたところにあるツブれかけたホテルを、従業員たちの
アイデアと熱意で再生していくという展開は同じ。「崖っぷち」の製作者は明らかに「高原へ」を
意識しているでしょう。ただ、「崖っぷち」は従業員役に野生爆弾くっきー、チャド・マレーン、
宮川大輔らを起用し、完全にコメディ狙い。また、「高原へ」では田宮二郎のマネージャー自身
の人生の再生も大きなストーリーの柱でしたが、「崖っぷち」ではそこまで登場人物の人生は
掘り下げられておらず、ライトな仕上がりに作られていました。そのため、ドラマ全体に通ってい
る縦軸がやや弱い感じもありましたが、コメディとして作っているのでそれは成功だと思います。

3位 やけに弁に立つ弁護士が学校でほえる NHK 土 20:15
学校での揉め事を法律の面からアドバイスするスクール・ロイヤーとして、とある中学校に派遣
された神木隆之介弁護士が、学校での納得のいかない諸問題にテッテイ的に噛みついていく
というお話。理屈っぽい神木隆之介に対して、これまた最近理屈っぽい役柄が多い田辺誠一が
また噛みつくという、たぶん展開としては地味で堅苦しい話なのでしょうが、芸達者の二人なの
で台詞の応酬に引き込まれます。学校という教育の場に法律家が介入せざるを得ないのが、
当世のリアリティなのでしょうか。

2位 おっさんずラブ テレ朝 土 23:15
今期一番の快(怪)作と言ってもいいでしょう。田中圭、林遣都、吉田綱太郎、眞島秀和、男
4人の絡み合う恋愛模様。LINEの最後を「・・・だお」で〆る吉田綱太郎の可愛さ、いじらしさ、
突然のモテ期(男だけど)来襲にパニックしまくる田中圭、深夜に爆笑させてどうしようというん
ですか、テレ朝さん!
それに眞島秀和は前期の「隣りの家族は青く見える」でも同性愛者の役。ドラマ界では彼をゲイ
として定着させようという動きでもあるのでしょうか?
この手のドラマって、茶化しちゃいけないって自己規制が働いて、重いシリアスな話に陥りやす
い傾向があると思うんですが、こうしてコメディ仕立てにして、しかもそれが自然に受け入れら
れるオフィスが舞台なんて感じにすると、見ているコチラも「そういう生き方の有りなのかな」と
いう考えになってきますね。啓蒙という点でも効果的かも。
最初同性愛なんて考えられないと思っていた田中圭が、幼馴染の内田理央に告白されても、
林遣都を選んだあたりの気持ちの変化を、もうちょっと掘り下げてくれると良かったと思うお!

1位 コンフィデンスマンJP フジ 月 21:00
徹底したコメディと、マシンガンのようなセリフの応酬、主演長澤まさみのキレにキレたキャラ
クター、視聴者も詐欺にかけようとする二転三転の構成、文句なく今期のオレデミー大賞です。
ネタバレになりますが、最終話が第1話の直前の話、つまりエピソード0だったというオチも
やられたと思いました。4人目のレギュラーとして2話から登場した五十嵐役の小手伸也が、
すごくいいアクセントになってました。「真田丸」の塙団右衛門を演じてた人ですよね。キャラを
作るのがすごく上手そう。「アウト×デラックス」に出演したとき、まだテレフォンオペレーターの
アルバイトをしていると言ってましたが、もっとドラマで見たい人です。

深夜枠

3位 やれたかも委員会 TBS 火 25:28
2位 スモーキング テレ東 木 25:00
1位 宮本から君へ テレ東 金 24:52

「宮本から君へ」池松壮亮がドラマの中で寒中の海に飛び込んでいく、自らバリカンで丸刈り
にするなど衝撃のシーンいっぱい、とことん自分を追い込む暑っ苦しいキャラクターにお腹
いっぱい。内容的には映画にしてもいいクオリティだと思います。蒼井優の使い方、贅沢。
「宮本」と「スモーキング」に両方、キーマン的な役どころで出ている高橋和也。今期のテレ東
深夜枠は和也祭りでした。

個人賞、各賞。

主演男優賞 田中圭(おっさんずラブ)

主演女優賞 長澤まさみ(コンフィデンスマンJP)

助演男優賞 林遣都(おっさんずラブ)

助演女優賞 木村多江(あなたには帰る家がある)

新人賞 今田美桜(花のち晴れ TBS 火 22:00)

美術賞 スモーキング

撮影賞 宮本から君へ

主題曲賞 「幸せって」 Crystal Kay(デイジー・ラック)

他に 「正義のセ」は同じ検事モノってことで、「HERO」に重ならないように主演の吉高由里子
を敢えて、庶民的でペーペーのキャラにしたのだと思いますが、ちょっと軽くなり過ぎた感じ
がします。
「Miss デビル 人事の悪魔・椿真子」菜々緒のドSキャラが大好きならば。
「花のち晴れ」こんなヒドい設定の学園ドラマないですよ。学校が舞台なのに先生が全く出て
こない。いくらフィクションったって・・・。
「ラブリラン」中村アンと大政絢、古川雄輝が好きならば。
「家政夫のミタゾノ」第1シリーズではどうしても違和感のあった松岡昌宏の女装が、いつの間
にか自然に見えてきました。・・・慣れって恐ろしいですね。このドラマの撮影中に例の山口
メンバーの事件や記者会見があったのかと思うと、松岡の精神力スゴイね。
「いつまでも白い羽根」看護師研修生役の一人が、ゲスの極み乙女。のほないこか(さとう
ほなみ)だったとは!全然わからなかった!

7月期のドラマも次々と始まっていますね。
初回を観た中では、キャストも新しくなった「刑事7人」、設定が大幅に変わった「絶対零度」の
シリーズドラマ。そして佳作の多い日9枠。「この世界の片隅に」辺りが面白そうな感じです。

メガ105



「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へ
にほんブログ村


にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ

世界遺産記念特集 都内の「潜伏キリシタン史跡」

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産が、このほど世界遺産に登録されました。
世界遺産登録に向けて活動してきた方々、本当におめでとうございます。

ところで「潜伏キリシタン」てナニ?「隠れキリシタン」とどう違うの?という素朴な疑問を
持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はワタクシもその一人でした。
ていうか、そもそも潜伏キリシタンなんて言葉、最近になって初めて聞いたくらいです。
ということで、この二つはどう違うんだろうとネットで調べてみました。

島原の乱を経て鎖国が完成するのが1639年。以降、キリスト教が解禁される明治
6年(1873)まで、日本人キリシタンはひたすら隠れてキリスト教を守り続けました。
それはたった一人の指導者もいないまま230年間も教義を守り続けるという、世界でも
例を見ない独特の信教でした。
彼らが守り続けた教義はカトリックです。これをひたすら230年間迫害を避けながら祈り
通した信者たちを「潜伏キリシタン」と呼ぶそうです。
明治6年解禁となって、全てのキリシタンが新しくできた教会に駆け込み神父様からの
教えを乞いました・・・となれば話は早いのですが、実はそうではなかったようなのです。
一部の信者は、教会にも行かず、ひたすら江戸時代のままのように隠れながら先祖から
伝えられたキリシタンの教えを守り続けたのです。
なぜか?

先にも言いましたが、230年間正当な指導者も無いまま語り継がれた「日本キリスト教」は
在来の仏教や神道にも影響され、独自のオリジナル宗教へと変化していました。
ですから、その教えを守り通してきた人々にとっては、正当なカトリックも受け入れられず、
キリスト教が解禁となった後も、隠れて独自のキリスト教を守ったんですね。
つまり、「隠れキリシタン」とは、明治6年以降も上記のような理由で隠れて信教していた
キリシタンらも含めた呼び名だというのです。

今回、世界遺産に登録された関連遺産は、江戸時代から明治6年までの間、迫害を避け
ながら守り通したカトリック系キリスト教徒に関する遺産、ということで「潜伏キリシタン」の
名称が付けられているようです。

前置きが長くなってしまいましたが、長崎や天草だけではなく、東京都内にも探してみると
潜伏キリシタンの史跡はけっこうあります。
そこで、今回はワタクシが都内ガイドや街歩き講座などで訪れた、都内のキリシタン史跡を
ご紹介してみることにいたします。

都内のキリシタン史跡で一番有名なのは、三田の住友不動産ビル前にある「元和キリシタン
遺蹟の碑」だと思いますが、それと同様の碑が高輪にもあります。

③高輪教会
こちらカトリック高輪教会
品川駅から柘榴坂を上がりきったところにある教会ですが、写真の正面階段を上がった
ところにその碑はあります。
④江戸の殉教者顕彰碑
元和9年(1623)、徳川家光は宣教師を含む50人のキリシタンを三田の刑場で処刑
しました(江戸の大殉教)。
その殉教者の中には家康の家臣だった原主水もいました。彼は岡崎を追放されますが
それでも布教を続けたため、手足の指と足の腱を切られてしまいます。それでも江戸に
潜伏して布教していたため、ついに捕まり処刑されました。
この碑は昭和31年(1956)に三田の刑場跡に建てられましたが、後にここに移されました。
なお、原主水は2008年に福者に列せられたとのことです。

高輪教会から高輪通りをまっすぐ北へ歩くと浄土宗のお寺光福寺があります。
⑤光福寺山門
江戸時代、ここには相福寺というお寺があったのですが、明治の廃仏毀釈の中で寺の数を
減らす動きがあり、「同じ宗派ならかまわねぇだろ」という乱暴な理屈で芝の源光寺というお寺
と一緒にさせられてしまいました。いわゆる、ニコイチです。で、お寺の名前もニコイチ。
なんともかわいそう・・・。

このお寺の境内に置かれているのがコチラ。
⑥切支丹灯籠
切支丹灯籠です。
別名織部式灯籠とも云われている形式の灯籠です。
元は上に灯籠部分があって、そこに灯りをつけると十字が浮かび上がったといいます。
正面にお地蔵さまのような絵が刻まれていますが、これが切支丹灯籠の基本図形です。
八頭身の人物がガウンをまとった姿なのだそうです。八頭身というのは、宣教師が教えた
最高の美意識だそうで、ギリシャ文化あたりから来ている考えだとか。
東洋人はまったく眼中にないっスね!
写真はちょっと見え辛いですが、ガウンの下から足が出ていまして、これが外ワニ足といって
靴を履いているようにみえるんですね。
通常の灯籠は地面の上に置かれますが、切支丹灯籠は地面に直接埋め込んで立てられる
という特徴もあります。
キリスト像もマリアの絵も飾ることができなかったキリシタンにとって、切支丹灯籠は大切な
崇拝対象だったのでしょうね。
ちなみにこの灯籠は昭和37年(1962)に近所から出土したものだそうです。

ちなみにココ光福寺はゆうれい地蔵というのがあることで知られています。
⑦ゆうれい地蔵
品川沖からあがったという、このお地蔵さま。確かに不可解な形をしております。
別名子安栄地地蔵尊といい、子育ての信仰を集めています。
切支丹に関係はないモノですが、珍しいのでご紹介。

切支丹灯籠はこの近くにもう一つあります。
柘榴坂を下った、品川駅のすぐ近くの高山稲荷神社です。
①高山稲荷神社
こちらの境内にあるおしゃもじさまと呼ばれる石造物がそれです。
②おしゃもじさま
名前の由来はよくわからないのですが、この神社では縁結びの神様として祀られています。
海中から引き揚げられたものとも、処刑された宣教師を供養するために立てられたとも
云われているそうですが、おそらく切支丹灯籠だろうと思われます。
外ワニ足がよくわかります。

切支丹灯籠がきれいな形で保存されている場所が目黒にあります。
目黒駅から行人坂を下り、目黒川を渡って山手通りにでると大聖院という天台宗のお寺が
あります。
⑧大聖院
本堂はご覧のように近代的な建築ですが、お寺の創建は弘治3年(1557)と古く、隣りにある
大鳥神社の別当を務めていました。
この境内に、切支丹灯籠が3基あります。
⑨切支丹灯籠
非常にいい保存状態ですね。
左右の灯籠を見ると、下から柱が上に延び、途中で左右に膨らみがあって、また上にちょっと
延びているのが分かりますでしょうか。
この形は十字架をデフォルメしたものだと云われています。
まんま十字架を作ったら命がないので、このような形を考案し、日本によくある灯籠に似せて
作ったことが分かります。
ココには目黒区が立てた説明板もありますので、参考になりますよ。
DSCF7471a.jpg

日本が鎖国体制に入っても、日本にキリスト教を布教しようとして密入国をした宣教師は
いました。しかし、彼らは捕えられ江戸に送られ収監されてしまいます。
そういった密入国宣教師を閉じ込める専用の牢屋敷が、小石川小日向(文京区)にあり
ました。
それを切支丹屋敷といいます。
⑫切支丹屋敷跡
閑静な住宅街の中に、石碑だけが置かれています。
元々、この場所には大目付兼宗門改役だった下総高岡藩主・井上政重の下屋敷がありま
したが、正保6年(1646)にその敷地内に伴天連のための牢や見張り番屋が建てられました。
ここには寛永20年(1643)密入国し捕まったジュゼッペ・キアラやペトロ・マルクエズなど
10人が収監されたほか、宝永5年(1708)には屋久島に上陸したところを捕まったイタリア人
宣教師のシドッチも入れられました。
当時、6代将軍家宣のブレーンだった新井白石はシドッチを尋問し、そのことを「西洋紀聞」に
まとめます。このシドッチ以降、密入国宣教師は来なくなったため、寛政14年(1792)に
切支丹屋敷は廃止となりました。
⑬八兵衛の夜泣き石
平成26年(2014)、この場所で発掘調査を行ったところ、3体の人骨が出土しました。
DNA解析の結果、そのうちの1体はイタリア人男性であることが判明。シドッチのものである
ことがほぼ確定したそうです。
残る2体については、シドッチの身の周りの世話をしていた日本人、長介・はる夫婦と思われて
います。夫婦は元々潜伏キリシタンだったらしく、シドッチに頼んで密かに洗礼を受けたの
ですが、それがバレて処罰されてしまいました。シドッチは、外出できない外は比較的自由な
待遇だったらしいのですが、洗礼を与えたことから地下牢に押し込められ、そこで獄死したのだ
そうです。

ところで。上の写真の左側に小さな自然石が置かれていますが、これは八兵衛の夜泣き石
云われているもの。
切支丹屋敷の番卒に八兵衛という19歳の若者がいたそうですが、伴天連の世話をしている
うちに感化されてしまい、そのために逆さ埋め(!)にされてしまったのだそうです。その場所
には大きな伊豆石が置かれたのだそうですが、これが夜になるとすすり泣く声が聞こえたんだ
そうで、その八兵衛を供養するものだそうです。

そんな切支丹屋敷跡が近いせいでしょうか。
茗荷谷駅のちかくにある深光寺(じんこうじ)。浄土宗のお寺。
⑭深光寺
ここは「南総里見八犬伝」の作者・滝沢馬琴のお墓があることで知られていますが、境内には
切支丹灯籠もあります。
⑮切支丹灯籠
この灯籠についてはどうしてこの場所にあるのかなど、謂われは全くわからないのですが、
かなり完全な形で残されています。
それと、よーーーく見ると灯籠の、横に膨らんだ部分に何か四角く文字のようなものが
彫ってあるのがお分かりでしょうか。(大聖院の灯籠にも有り)
これはアルファベットのP、T、Iの3文字を図案化したものなのだそうです。
P、T、Iとはギリシャ語の「PATRI]の略で、「父」という意味。
切支丹灯籠にこのP、T、I図案が刻んであるのは慶長年間から江戸時代初期のものだけ
だそうで、そうするとこの深光寺の灯籠はかなり古いものだと言えそうです。
(松田重雄氏の考察による)

さて、最後は茗荷谷駅前の春日通りをまっすぐ東京ドーム方面へ。
すると見えてくるのが伝通院です。
⑩伝通院
家康の生母・於大の方の墓があることで有名なほか、幕末期には浪士組がここの塔頭だった
処静院から京都に旅立って行ったことでも有名なお寺です。清河八郎のお墓もありますね。
伝通院は歴史ファンにはとても親切なお寺で、墓域の入口に「著名人のお墓早見表」の説明板
が設置されています。これで、広い墓地の中を迷わず掃苔ができるというありがたいシステム。

この墓域にあるのがジョセフ岡本三右衛門神父供養碑です。
⑪ジョセフ岡本三右衛門碑
彼は本名をジュゼッペ・キアラというイエズス会の宣教師で、鎖国下の日本に密入国しましたが、
寛永20年(1643)に筑前で捕えられ、江戸に送られます。そして厳しい詮議と拷問を受け、
ついに棄教してしまうのです。その後は切支丹屋敷に移され、妻と岡本三右衛門という日本名
を与えられました。
実はこの岡本三右衛門は殉教したキリシタンの名前で、ジュゼッペが娶らされた妻は三右衛門
の妻だったのです。残酷な話や・・・。
しかし彼はその後、キリスト教や宣教師についての情報を幕府に提出するなど協力。83歳の
長寿を保ちました。
死後は荼毘され、当時伝通院の隣りにあった無量院に葬られました。そのときの墓石は一時
行方不明などにもなりましたが、現在は調布市のサレジオ神学院に置かれているそうです。

ということで、潜伏キリシタン史跡はやはり悲しいストーリーを背負ったものが多いですね。
ご紹介した史跡の中で、切支丹灯籠は、目黒の大聖寺以外は説明板もなく探すのに手間取る
ことがあるかもしれませんが、お近くに行かれたときにはご覧になってみてください。
まだまだ都内には、他の場所にもあるようです。

それと、ここが大事だと思うのですが、キリスト教禁令は江戸時代のものとついつい思いがち
ですが、明治に入ってからもしばらくの間はその政策が取られ続けたのです。
明治6年に解禁されるまでは、徳川時代よりも厳しいくらい明治政府は日本人がキリスト教に
触れることを禁じました。廃仏毀釈を見てもわかるように、初期の明治政府の宗教統制は非常
に極端だったんですね。
img001a.jpg
慶応4年3月に出された、切支丹宗門禁止を通達する太政官令の高札。
太政官とは、現在の内閣に相当するもの。
(「里正日誌の世界」より)

メガ104
ウチの母は、「ワタシは子供の頃、教会の日曜学校に通ってて、洗礼こそ受けてないけど
心はクリスチャンに近いのよ!」と言いながら、年が明けると「あらあら一月のうちに成田山
へ行って早くお札をもらってこなきゃ!」と毎年言っては出かけていきます。
正しい日本人の姿だなぁ、と思ってます。

「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へ
にほんブログ村


にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ