今回は
「農兵訓練の栞」の第二部・第三部をご紹介します。
第一部では小隊が整列してから射撃の態勢を取るまでが記されていました。
第二部では小隊の移動が書かれています。


第二部には
「戦隊正面行進」というサブタイトルがつけられています。
また、第一、二教がないのに、第三、四教が出てきます。
この辺りの統一性の無さが目立ちますが、たぶん第一教が「正面行進」で、第二教が「背面
行進」、第三教が「斜め行進」という分け方なのでしょう。
第四教は足踏みをしながら前進、後退、という手順が書かれています。さらに説明書きとして
「駆け足で行進するときは20歩ごとに銃を構える」「2、3発撃った後は直ぐに銃を構えて
駆け足前進する」など、かなり実戦を想定した訓練が行われていたことがわかります。
続いて、第三部。

第三部は2ページに渡って書かれていますが、第一教「側面行」のあとは、項目分けされて
いません。
「組々合セ」「組々分レ」「組々進メ」とあるのは、小隊を伍卒組に分けての行動を指している
のでしょう。より複雑な動きで、農民の方々も覚えることがいっぱいで大変です。

ここで「嚮導」という言葉が出てきます。
嚮導は辞書によれば「軍隊で、横隊の隊列の両端にあって整列・行進などの基準となる者。」
とあります。この嚮導役は伍卒組に入らない懸かり役人が務めたのでしょう。
小隊全体で西洋戦術を学んでいたことがわかります。


「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」


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