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新選組漫画 159  国芳・国貞展

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渋谷区のBunkamura ザ・ミュージアムで開催されている、ボストン美術館所蔵
「俺たちの国芳 わたしの国貞」展を見てきました。
幕末期の歌川派を代表する二大巨頭の展覧会です。

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ワタクシ、国芳が大好きなので、原宿の太田記念美術館などに国芳がかかるとたいてい
見に行くもので、今回も楽しんで行ってまいりました。

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こちらのポスターは国芳の「国芳もやう正札附現金男野晒悟助」
現金男というタイトルもイカしてますが、髑髏の下駄に、髑髏模様の着物。さらにその
髑髏は猫でできているという、なんともシャレた一枚。

国芳といえば、全身に彫り物を施した武者絵が何といっても有名ですが、今回改めて
見るとその彫り物の精密さにため息が出ます。
ワタクシが国芳の中で最も好きな絵は、猫を擬人化した絵なんですが、それが今回の
展示では少なかったのがちょっと残念。
でも、窓にもたれかかった女性が足で猫とじゃれている絵(「当世商人日斗計 日九時」)
などは「猫あるあるだなー」と、猫好きで有名な国芳らしさを堪能できました。

こういった美術展では写真撮影がいっさい御法度のハズですが、なぜか数点の国貞
だけ写真撮影がOKでした。なんでだろう?

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「見立邯鄲(かんたん)」

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「調布の玉川」

その中から2点を撮ってきました。
上の絵は団扇が透けて女性の顔が見えているんですが、団扇に極細の線が描かれて
おり、これを彫った彫り師の腕前に脱帽せざるを得ません。
下の絵で女性が口にしているのは、枝豆です。
江戸時代の人って豆を枝から取らないで食べたのでしょうか?
食べ辛くない?
ワタクシ江戸検1級ですが、恥ずかしながらこの事実は知りませんでした。

国貞は人物画の巨匠だけあって、役者絵や美人画は素晴らしいのですが、ときどき背景
が雑・・・というか簡単に処理してあったりするんですね。細部まで細かい情報を詰め込む
国芳と、そこが大きな違いを感じます。
国貞は生涯で1万点もの絵を描いたと云われていますが、さすがに一人でその数を描く
のは無理なわけで、弟子に一部を描かせたりする工房のようなシステムをとっていた
らしいですね。
ですから、背景などは弟子に描かせていたのでしょう。
まぁ、週刊誌連載を抱える漫画家みたいなモンですね。
「歌川国貞とクニサダプロ」みたいな。

さて、新選組漫画の4コマめ。
ピンときた方は、国芳通。
オリジナルの絵はこうなります。

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これも国芳の代表作「荷宝蔵壁のむだ書」です。
当時、役者の絵を描いて販売することが禁止されたので、「こいつァただの落書きで
ござんす」と描いて出した作品。
ところが、猫の周りに描かれた人物は役者の特徴をよくとらえていたんだそうで・・・。
似顔絵ってリアルに描くより、デフォルメした方がわかりやすくなりますからね。
無謀にもこの「落書き猫ちゃん」を立体化したぬいぐるみがショップで売られていました
けど、赤塚不二夫センセーのニャロメみたいでした。

国芳は文久元年(1861)に亡くなっているので、文久3年に結成された新選組を知り
ません。
柏尾戦争での近藤勇を描いた錦絵がよく知られていますが、これを描いたのは国芳
の弟子だった月岡芳年です。

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[ 2016/04/26 ] 新選組漫画 | TB(0) | CM(2)