FC2ブログ

104

随分と久しぶりの更新となってしまいました。
なかなか記事が書けなかったのは、前回までにもご紹介したように講座が近づき
その準備に時間をとられていることもありますが、それ以外にも理由がありました。

つい先日、ワタクシの祖母が亡くなりました。
死因は老衰。

祖母はずっと自宅で介護を受けていましたが、今月10日過ぎくらいから食べものを
取れなくなってきて、ワタクシも近所に住んでいるものですからなるべく見舞いには
行っていたのですが、先日の午前中に永眠いたしました。

祖母は大正3年(1914)生まれ。
8月に誕生日を迎えて104歳になったばかりでした。
大きな病気もなく、自宅での大往生であります。
誕生日には市役所からお祝いを持ってこられた方から「東大和市で現在2番目のご
長寿になられましたよ」と言われたばかりでした。

ワタクシは中学生まで祖父母と一緒に暮らしていましたので、祖母には思い出も沢山
あるんです。しかしながら、亡くなったときに出てきた感情というのは「悲しみ」よりも
「よく頑張ったね」という称賛の思いでした。
まぁ、例えていうなら、マラソン選手をゴールで迎える心境に近いかもしれません。

祖母は自宅で叔母や介護士の介護を受け、大きな病気もせず、物忘れはかなりあり
ましたが痴呆にはならず、亡くなる前日までは意識もハッキリとしていました。
そんな中で104年生きるというのは、人間が生きる限界に近いと思うのですよね。
真新しいノートに字を書いていって、最後のページまで真っ黒に字を埋めて、もう書く
場所無いよ、という所だと思うのです。
食べるものを受け付けなくなったとき、点滴でもすれば少しは寿命も延びたかもしれま
せんが、100歳を過ぎたときから本人の希望もあり、過度の延命措置はしないことに
していました。ただ、亡くなる前日から呼吸が荒くなったので、簡素吸入器だけは付けて
もらいましたが、そのまま眠るように逝きました。
老衰ってのは、ああいうのを云うんですね。

なんでも今の日本には100歳以上の方が6万人以上もいるそうで、104歳もそれほど
珍しくはないのかもしれませんが、ワタクシにとっては100オーバーの人間を側で見て
いるここ何年かは、奇跡を目撃している感覚でした。

葬儀が終わって荼毘にしたとき、火葬場の係員の方から「ものすごく立派なお骨ですね」
と言われました。「高齢になられると骨がもろくなって形が残らない方が多いのですが、
肋骨など薄い骨もしっかりと残っていますね。なかなか見られないですよ。」
確かに96、7歳のとき転んで腰を骨折したのですが、2ヶ月ほどの入院で復活しましたね。
若い頃からスポーツなど全くしたことがなく、いたってインドアの祖母でしたが、案外骨格
的にはアスリートに向いていたのかもしれません。
機会さえあれば、霊長類女子最強の称号を最初にもらっていたかもしれず、残念!

ということで、今月半ばからは、そんなことでバタバタしておりました。

しかし、大正3年生まれですよ。
新選組の永倉新八や斎藤一が亡くなったのが、同4年ですから、わずかの時間ながら
同じ空気を吸っていたことになるワケですよ。
やはり、奇跡だなぁ・・・。

メガ108

ちなみに祖母の出身地は茨城県。常陸国府のあった石岡です。
江戸時代は水戸藩の支藩府中藩(明治2年に石岡藩と改名)のあった所。
石岡には新選組から御陵衛士に移った鈴木三樹三郎(伊東甲子太郎の弟)の
お墓もあるそうです(東耀寺)。三樹三郎が亡くなったのは大正8年だから、もしか
したらリアルに道ですれ違ったりしてたかも知れないですねww
もう祖母の親戚も住んでいませんが、今度訪ねてみたいと思います。

「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へ
にほんブログ村


にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

横浜歴史博物館 「戊辰の横浜」展

Twitterのフォロワーさんからの情報で、横浜歴史博物館で幕末関連の企画展がある
ことを知りました。題して「戊辰の横浜」
この中で横浜の農兵隊についての展示もあると知り、多摩の農兵隊を調べていく上で
何か参考になることもあるのではないかと思い、先日の休みに行ってまいりました。

016d35797805a887a6ec1e7cba92aec5f05a6c8c58a.jpg

01f06503a527dff9475de0f173ed0fd2b986e43197a.jpg

サブタイトルの「名もなき民の慶応四年」とあるように、民衆の側から見た戊辰戦争や
明治維新前後の様子を知ることができるワケです。この中に農兵隊も含まれるワケ
ですね。

いつもは空いている平日に美術館や博物館に行くワタクシが、わざわざ休日に行った
のは、学芸員さんのガイドがあるからでした。
展示は3部に分かれておりまして、

①新政府軍が横浜にやってきた
②幕府代官編成の農兵 綱島農兵と川崎農兵
③治安と支配 上野戦争前後


という編成になっております。

ガイド解説の始まる1時間前に着きましたので、ぐるっと一回りして先ずは展示品や解説
を一通り見学。展示品のほとんどは古文書の類なので、一見すると地味な印象ですが、
書かれてあることは今まで知らなかったことばかり。
非常に興味あることばかりです。

14時になり、学芸員さんのガイドがはじまりました。
見学者は40人ほどもいたでしょうか。最初に展示品を見ておいてよかったです^^;

先ずは①のコーナー。
鳥羽・伏見の戦いのあと、新政府軍は江戸へ向けて進軍してきますが、横浜へは東海道軍
と東征大総督有栖川宮熾仁親王の一行が通行していきます。
その様子を戸塚宿の記録で知ることができます。
戸塚宿の定助郷を務める鍛冶ヶ谷村(栄区)の小岩井家の記録によれば、同宿には計12
藩、5500人の新政府軍が三日間に渡って通行し、それに対応するために2000人余りの
人足が継立に従事したということです。
学芸員さんが仰るには、近隣だけではなく離れた村々からも人足を求めたそうです。この辺り
は東大和市域の村々も蕨への助郷を命じられた経緯と似ています。
この東征軍御一行の行列を、なんと当時15歳の郁之助くんという少年がオールカラーの
絵巻物に描いて残しています。これが非常に細かく描かれていてビックリします。資料として
もかなりの価値があるのではないでしょうか。
これはぜひ、ご覧になっていただきたい!

また、東征軍の進軍に先立って、鳥羽・伏見の戦いに敗れた会津兵が敗走する様子を書いた
古文書も展示されています。それによると、会津兵らは草履、下駄を履き、鎗や刀は鞘もなく、
紙を刀身に巻いていた状態だったそうで、生々しい様子が感じられます。

東征軍通行を円滑に行うために働いたのが、武州金沢藩米倉氏(藩主・米倉昌言)と韮山代官
江川氏(当主・江川英武)で、戸塚~神奈川宿を米倉氏、神奈川~品川宿を江川氏が賄い方
を担当したとのことです。
「里正日誌」によれば、江川英武は新政府に恭順するため上京していますが、残された代官所
ではこんな仕事をさせられていたんですね。この担当地域は江川氏の代官支配地域ではない
ので、元々の支配地域である多摩の村々はこの状況をどう思ったのか、興味のある所です。

さらに興味深く思ったのは、川崎宿の賄い方下役を務めた市場村名主の添田七郎右衛門が
その功績を認められて、江川氏から苗字を名乗ることを許されているんですね。川崎は江川氏
の支配地域ではないけれど、賄い方を江川氏が務めていたため江川氏が許したとのこと。
こういう例は初めて知りました。

②はいよいよ農兵の話。ワタクシにとってはメインディッシュ。
横浜市域には綱島農兵隊、川崎農兵隊(呼称は便宜上)という2つの農兵隊がありました。
これは綱島村寄場組合、川崎村寄場組合という文政の改革組合村を基に編成されたようで、
多摩の蔵敷村組合や田無村組合のように、農兵のために新たに編成され直したものではない
ようです。
農兵隊結成の契機となったのは慶応2年(1866)6月の武州世直し一揆で、多摩農兵隊が
一揆鎮圧に活躍したのを見て、当地の代官今川要作が取り立ての意向を示します。組合村
でも取立願いを提出し慶応3年(1867)1月に結成されました。
ただ、綱島村では世直し一揆の際、日野宿農兵隊と連絡を取り合い、多摩川の渡船場警衛
についているので、元々の自衛意識は高かったものと思われます。

今回の展示では、日野宿名主・佐藤彦五郎の日記の一部も展示してあります。
慶応4年(1868)1月、彦五郎の日野宿農兵隊は横浜で20挺の元込め小銃を買いつけ
ますが、それは長尾村の人物(具体的には不明)の伝手によるものだったそうです。
時期的には鳥羽・伏見の戦いの直後であり、日野農兵隊は独自の行動をとりますが、
そこに川崎周辺も何らかの関係を持っていたことを窺わせます。

綱島・川崎両農兵隊とも、小銃は代官からの支給ですが、かかる経費は村負担という所は
江川農兵隊と変わりません。目的が地域自衛という所も一緒です。
しかし、彼らは代官以外に神奈川奉行の支配も受け、有事の際には横浜の港やその周辺
も警衛する役目を負っていました。
蔵敷村組合農兵では2回ほど臨時で観音崎台場の警衛に行かされたり、芝新銭座の代官
屋敷に詰めるように命令がありましたが、村では免除の願いを出していました。この辺りは
違いがあったようですね。
庄内藩による薩摩藩邸焼討事件の際には、逃げてきた薩摩藩邸の浪士2名を綱島農兵隊
が取り押さえるという手柄も取っています。

また興味深いのは、江戸城開城前の3月12日に横浜市域に入った新政府軍の岡山藩が
農兵隊の銃を回収していったということです。これは綱島・川崎の農兵隊だけではなく、周囲
の村々の獣害対策用の火縄銃まで回収し、さらには農兵隊の制服などまで持って行ったと
いうのですから、かなりの念の入れようです。このことによって、事実上農兵隊は解散。
蔵敷村組合でも、戊辰戦争終結後からしばらく経った明治3年(1870)4月に政府が銃の
回収を行いますが、このような早い時期に、しかも岡山藩という一藩がこのような行動を
とったというのは面白いですね。どのような理由があったのでしょうか?

③は上野に屯集した彰義隊が、ときどき横浜にもやってきて、献金を求めてきた資料などが
目を引きました。
村々では一応要求には答えるものの、要求額を一部に押さえて支払うなどしてやりすごした
ようです。これも東大和市域に振武軍がやってきたときと同じ対応ですね。
中にはニセ彰義隊もあったようで、ニセモノだとバレたときには人足たちから制裁を受けて
しまったとか。きっとボッコボコにされたんでしょうね。悪いことはしちゃダメです。
さらには正体不明の報恩隊という部隊や、仁義隊なども金銭を要求。仁義隊は「里正日誌」
に出てきた八王子に屯集して、村々から献金を要求した部隊と同じ隊でしょうか。

ざっと、こんな感じの企画展。
もっとたくさんの内容がありますし、展示品もゲベール銃やミニエー銃、上野戦争の錦絵など
もあり、充実しております。
学芸員さんも仰っていましたが、今回の企画展には一般的に有名な人物は出てきません。
(かろうじて江川英武あたり?)また、横浜は戊辰戦争の戦闘の舞台にはなっておりません。
ただ、そんな中だからこその、リアルな民衆の視線から見た幕末・維新を感じられたような
気がいたしました。
学芸員さんのお話で、多摩と横浜の農兵の比較ができて余は満足。

お近くにお住まいの方はぜひ!
(まぁ、ワタクシは車でちょい渋滞有りーので、片道2時間かかったけどね)


                                    

前回の記事でご案内した江戸楽アカデミー講座 「世間を騒がせた江戸の女性たち」 は
おかげさまで申込み数が上限いっぱい、SOLD OUTになりました。
ありがとうございました。ガンバリマス!


メガ106


「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へ
にほんブログ村


にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ

八王子千人同心史跡を廻る②

了法寺の前で甲州街道を渡ると、その先にお寺があります。興岳寺です。
千人頭の石坂家が開基した曹洞宗の寺院です。
石坂弥次右衛門(1809~1868)のお墓があります。

IMG_0805a.jpg

石坂弥次右衛門義礼墓
弥次右衛門は千人頭の石坂家11代目。第二次長州征伐に従軍し、大坂や九州へ転戦する
など活躍します。慶応4年(1868)日光火の番を務めているときに戊辰戦争が勃発。日光へ
進軍した板垣退助率いる新政府軍の対応に迫られます。弥次右衛門は戦うことなく日光を
明け渡して千人隊50人を率いて八王子に帰りました。
ところが、戦わずして帰ってきたことを問責する声があり、弥次右衛門は帰郷したその日の
深夜に一人責任を取って自刃します。享年60歳。
墓石には「源義禮之墓」とあります。

ということで、戊辰戦争の中で千人隊の悲劇の象徴のような方なのですが、コレはちょっと
疑問に思うところがあります。
弥次右衛門は確かに千人頭の旗本ですが、彼の兵力はたかだか50人の同心。
板垣が東照宮に進軍してきたのは、大鳥圭介率いる旧幕府陸軍を追ってきてのことだし、
一戦交えるかどうかの判断は大鳥と板垣の判断で決められたハズ。弥次右衛門は大鳥と
話し合いをもったでしょうが、大鳥の決定に従ったまでのことではないでしょうか。
何も腹を切るほどの責任ではないと思うのですが・・・今となってはその真意はわかりません。
現在では日光を戦火から守った功績者として称えられ、墓石の前の香台は日光市から贈られ
ています

興岳寺を出て中央線の線路を渡り、昨年の夏、清宮(現日ハム)擁する早実を破って甲子園
に西東京代表として出場をした八王子学園高前を過ぎると、南大通りに出ます。通りを東に
進むと見えてくるのが信松院です。

IMG_0806a.jpg

武田信玄の四女(六女とも)松姫(1561~1616)が開いた曹洞宗のお寺です。
松姫は織田信長の嫡男信忠と婚約しましたが、両家が対立したため縁組は破談。松姫は
18歳の若さで仏門に入ります。昔の日本人て、現代人の目から見ると人生選択の振り幅が
大きいですよねぇ。
武田家滅亡のあと、一族の女性らと武蔵国に逃げてきた松姫は信松尼と号しました。
江戸幕府開府後の松姫は、姉の見性尼とともに二代将軍秀忠の四男・幸松の養育をした
ことで知られます。この幸松が保科正之であり会津松平家の藩祖となるのですから、新選組
ファンとしても全くカンケイないお方ではないですね。

IMG_0809a.jpg

松姫尼公墓
出家していますので、無縫塔(卵塔)です。
松姫は武田家の人だったので、千人同心にとっては精神的な拠り所だったようです。
お墓の周りの玉垣は延享5年(1748)に千人同心が寄進したものです。

IMG_0808a.jpg
IMG_0808b.jpg

「窪田」「石坂」「原」といった千人頭を勤めた家の名前が並びます。

本堂の奥には松姫百回忌の正徳5年(1715)に作られた「木造松姫坐像」が安置されて
います。松姫の月命日にあたる毎月16日だけ公開しているとのことですが、今回特別
に拝観させていただきました。
300年前に作られたとは思えないほど美しい像です。ただ、やはり木製ということで、所々
ヒビが入っていて、ご住職は「今のうちにレプリカを作っておいた方がいいかもしれません」
と仰っていました。

信松院の前の道は「松姫通り」といいますが、その通りを北に向かい再び線路を越えると
産千代(うぶちよ)神社があります。

IMG_0814a.jpg

鳥居の左横の石柱には史跡大久保石見守長安陣屋跡とあります。
大久保長安は元武田の旧臣で、主家滅亡後家康の家臣となります。全国の検地、石見銀山
奉行、佐渡金山奉行を歴任。八王子代官頭としてそれまで八王子城下にあった町を現在の
場所に移し、甲州道中の整備、石見土手、千人同心の組織など八王子宿づくりに貢献しま
した。
この陣屋の周辺には十八代官と呼ばれる配下の代官が陣屋を構えていたそうです。

IMG_0819a.jpg

境内には長安陣屋井戸があります。

こんなカンジで、この日の10時から13時ころまで千人同心ゆかりの史跡を、八王子市郷土
資料館学芸員の方に案内していただきました。

で、このあと昼食をはさんで14時頃より、甲州街道八幡町交差点から国道16号を北上。
歩いて「八王子千人同心日光道中」を歩いて行く、というイベントに突入したのであります。
実は今回の集まりは百街道一歩氏という、街道歩きの専門家が企画したイベントだったので、
ココからが「本日のメイン」ということだったのです。

百街道一歩さんのHP 「百街道一歩の道中記」
※ワタクシの江戸検1級の同期生であります。

とにかく旧街道をひたすら歩くというのがポリシーですので、八王子からひよどり山を越えて
滝山城の麓を行き、拝島橋を渡って拝島駅まで行ったところで日が暮れて終了となりました。
途中、神社仏閣や道標、石仏石塔などの史跡があれば確認しながら行きますので、当然
時間もかかります。
ワタクシのカメラの電池がなくなってきたので、あまり写真が撮れなかったのですが・・・

IMG_0825a.jpg

極楽寺にある塩野適斎の墓
塩野適斎(1775~1847)は千人同心組頭。八王子の重要な地誌書「桑都日記」の著者です。

IMG_0829a.jpg

コチラはひよどり山を越えたところにあった石仏群。
左端の庚申供養塔は屋根付きの立派なもの。享保16年(1731)とかなり古いものですが、
保存状態がとても良かったです。真ん中2体はお地蔵さま。右端は「光明真言供養塔」です。

この日、18km、30000歩強。
ふだんあまり歩かないせいか、疲れました~~~。
後日、拝島から先の道中も誘われているのですが、どうしようか・・・考え中です。

メガ99
昼食は扇町谷宿(埼玉県入間市)でやっと食べられたそうです。
フヘ~~~、ですね。


「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へ
にほんブログ村


にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ

八王子千人同心史跡を廻る①

先日、江戸検1級同期の方に誘われ、八王子の千人同心史跡廻りに行ってきました。

八王子千人同心は、元々甲斐・武田家の長柄(槍)隊だった武士を、主家滅亡のあと、
徳川家康が家臣として迎え、甲州道中の守りとして八王子に配置したものです。
当初は千人頭、同心合わせて500人でしたが、関ヶ原の戦い直前にさらに500人を
増員し1000人の軍団になっています。このとき、武田遺臣だけでなく、北条遺臣や
牢人、有力富農層なども加わったと考えられています。

千人同心の大きな特徴は、千人頭(9~10人)は旗本の身分でしたが、組頭・同心は
戦闘時には武士となるが、普段は百姓として農業に従事するということです。
大坂の陣までは戦闘に参加した千人同心ですが、幕府が安定すると武士としての働き
は日光東照宮の火の番ということになりました。
江戸時代後半になると、千人同心の身分は株として売買され、八王子や周辺の富裕な
農民層が同心株を買い千人同心になりました。こうして、当初は八王子に集中していた
千人同心も東は東京都三鷹、西は神奈川県津久井、南は神奈川県相模原、北は埼玉県
飯能まで居住域が広がるようになりました。
実際、東大和市にも高木と芋窪に千人同心がいたと伝わっています。
千人同心は東大和にも無関係ではないということで、史跡廻りに行ってみましょう!

IMG_0777a.jpg

JR中央線西八王子駅前を北に向かいます。
写真が小さくてわかり辛いですが、銀行の入口前に「馬場横丁」と書かれた標柱があります。
この先に千人同心の屋敷が並んで建っていました。

IMG_0779b.jpg

この行先を示す標識がイカしてます。
ポールの先が火事現場で使う鳶口みたいになってる。これは、千人同心が日光火の番を
務めたからそのようなデザインにしたのではないでしょうか。
さらに看板にも注目。

IMG_0779ab

上の方は陣笠を形取っていますし、下には「千」の字が入ってますね。
千人同心は鎗奉行支配下に置かれていましたが、幕末の文久3年(1863)講武所支配、
慶応元年(1865)には陸軍奉行支配となり、名称も「千人隊」と改めます。そのときに隊士が
使用した提灯と韮山笠にこの「千」の模様が入っているのです。

そのまま甲州街道を超えて北に進むと宗格院というお寺です。

IMG_0781a.jpg

千人頭山本家の生まれである价州良天和尚が文禄2年(1593)に草創した、曹洞宗の寺院
です。ちなみに、八王子宿のお寺は曹洞宗が多いです。
こちらには、千人同心組頭だった松本斗機蔵(1793~1841)のお墓があるのですが、墓域
の一番奥にあり、先日の雪がまだ残っていて行くのが困難とのことで、お参りは見送りました。
残念!後日、暖かくなったら再度訪れたいと思います。
松本斗機蔵は江戸の昌平黌で学び、探検家で有名な最上徳内と親交を温め海外の知識を
深めた人物です。「献芹微衷(けんきんびちゅう)」という海防の提言書を書き、水戸の徳川
斉昭に上覧を願ったといいます。渡辺崋山や江川太郎左衛門英龍とも親しく、「献芹微衷」を
書いた際には江川に意見を求めたそうです。

宗格院を出て陣馬街道を渡った先にあるのが多賀神社

IMG_0787a.jpg

社伝によれば天慶元年(938)に源経基が勧請して建てられた、八王子宿の西の鎮守です。
慶応2年(1866)に千人同心が第二次長州征伐に出兵した際、組頭の神宮寺金一郎、川村
豊左衛門、塩野幸七郎が大坂で、こちらの扁額を作らせたそうです。それほど千人同心の
信仰も厚かったのですね。
その扁額は郷土博物館に保存されているそうなので、機会をみて行ってみようと思います。

ところで、ここには境内社としてこんな神社も祀られていました。

IMG_0789ab

機守神社です。
織物業が盛んだった八王子らしい神社です。
東大和は生糸の生産として、桑畑が多く作られたので蚕影神社が祀られました。どちらも同じ
繊維業の振興を祈念する神社ですが、こういうところで地域差をうかがい知ることができます。

陣馬街道を東に進むと甲州街道とぶつかります。つまり、江戸方面からやってくると、そこが
甲州道中と陣馬街道の追分です。
その追分から西側が千人同心の屋敷地でした。

IMG_0794a.jpg

八王子千人同心屋敷跡碑
現在の陣馬街道は石碑の右側の広い道路ですが、元の旧道は石碑左側の細い道です。
寛政元年(1789)の宿場絵図を見ると、追分付近の陣馬街道の北側(写真右側)は千人頭
原家の屋敷になってます。ということは、この石碑を含めて新道は原家の屋敷地の上に作ら
れたということになります。

追分の甲州街道側にあるのが、コチラ。

IMG_0798a.jpg

追分の道標です。
文化10年(1813)に建てられたものですが、昭和20年(1945)の空襲で破壊されてしまった
とのこと。よく見ると3本の亀裂が入っていることがわかります。
写真には「左 甲州道中高尾道」と書いてある側が写っていますが、上から2段目の「甲州道」
と書いてある部分と、一番下の「道」と書いてある部分がオリジナルで、他の部分は空襲で欠損
したものを作り直して建てられました。

ところで、この道標の一番下の部分に面白いモノを発見。

IMG_0800a.jpg

漢字の「不」に似た記号が刻まれているのがわかりますか?
これは明治初年のイギリス式測量の几(キ)号水準点です。つまり高低測量を行うために
設けた基準点。全国的に残っているのは少ないそうなのですが、ここでお目にかかれるとは。
都内では神楽坂にある善國寺(毘沙門天)の石虎にあるものが有名です。

甲州街道を少し西に進むと了法寺というお寺があります。
なんでもゲームだかアニメだかの舞台になった、いわゆる「聖地」らしいのですが、我々おっさん
は「何のことやらさっぱりわかりませんわ」状態ですのでスルーです。

IMG_0802ab.jpg

何のキャラざんす?情報求む。

長くなりましたので、以下次回!

メガ98


「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へ
にほんブログ村


にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


オレデミー大賞 2017年中間発表 10月期

2017年も残すところ、あとわずかとなってまいりました。
恒例のオレデミー大賞、10月期の発表です。

10位 マチ工場のオンナ NHK 金 22:00
 9位 トットちゃん テレ朝 月~金 12:30
 8位 アシガール NHK 土 18:05
 7位 先に生まれただけの僕 日テレ 土 22:00
 6位 奥様は、取り扱い注意 日テレ 水 22:00
 5位 この声をきみに NHK 金 22:00
 4位 コウノドリ TBS 金 22:00

「マチ工場のオンナ」 今期、零細な下町工場を扱うドラマが2本ありましたが、そのうちの
1本がコレ。もう1本の方は後述するとして、こういった「ニッポンのもの作り」を支える現場
をよりリアルにとらえたのはコチラのドラマでしょう。オンナが製造業の社長(内山理名)を
やるからどーだ、こーだというドラマではなく、業界そのものを俯瞰した話でした。
我々消費者は、「商品は安くしてくれるなら安くして欲しい」と思っていますが、そのモノが
職人の技術によっていかに手をかけて作られるかを見せられると、「その技術力ならこの
代価は納得です」と言わざるを得ないですよね。竹中直人のガンコなベテラン職人、吉村
界人の金髪ナマイキ新人、忍成修吾の常に冷静沈着な経理など、若干ステレオタイプな
キャラだなぁとは思いました。刈谷俊介の運転する車に舘ひろしが同乗するシーンに、あの
往年の刑事ドラマを思い出した人に10点。

「トットちゃん」 昼の帯ドラマですが、登場人物がほぼ全員実在の人物ということで、興味を
もって見ていました。時間も時間なので全話は見られませんでしたけど、清野菜名はよく特徴
をつかんでいたと思います。また、野際陽子を演じた真瀬樹里はサスガ実の娘だけあって、
雰囲気がソックリでした。気になったのがトットちゃんの恋人カール・祐介・ケルナー。調べて
みると、彼は架空の人物だそうです。
しかし、当時黒柳徹子に外国人ピアニストの恋人がいたことは事実だそうで、ストーリーその
ものはほぼ事実だとか。3日の休みが取れたら1泊3日で会いに行っていたとか本当のこと
のようで、「ザ・ベストテン」の司会をしながら、そんなことが!とビックリしました。

「アシガール」 最近流行りのタイムスリップ時代劇。かなりトンデモな話ですが、主演の黒島
結菜ちゃんがカワイイ。「自慢の長距離走で、恋する若君の足軽として貢献したい」という、
ちょっと「この子アタマ大丈夫かしら」と心配せずにはいられない危なっかしさが彼女にピッタリ
でした(褒めてます)。同世代の演技派・川栄李奈の登場シーンがもうちょっとあると、いいな
と思いました。

「先に生まれただけの僕」 日テレの報道番組に出演してる櫻井翔と小山慶一郎。リポーター
としては小山の方がうまいと思うのだけれど、ドラマになると櫻井の方が圧倒的に上ですね。
上手いというか、見ていて安定感がある。深夜枠で小山が出ている「重要参考人探偵」は見る
のが疲れて2話でリタイアしました。一方の「先に・・・」は完走。
ただ、このドラマに限って言えば、桜井は等身大の人物を演じてただけで、脇を固めていた人
が絶品に良かった。蒼井優、多部未華子、高嶋政伸、池田鉄洋、荒川良々などなど・・・。特に
副校長兼事務長役の風間杜夫が素晴らしかった。おかしみがあるんだけど、おふざけになら
ない。ギリギリのラインで楽しんでいるかのような、あのお芝居。サスガです。

「奥様は、取り扱い注意」 元公安で警察ジャーナリストの北芝健氏のインタビュー記事を読んだ
のですが、綾瀬はるかのドラマ中の格闘アクションは非常に実戦に近いのだそうで、褒めて
いました。公安関係者はみんな見ているんじゃないか、とも。現在放送中の「精霊の守り人」
といい、すっかりアクション女優ですね。
西島秀俊がフツーのサラリーマンなわけないと思ってましたが、やっぱり。この2人は「八重の
桜」のイメージが強いので、夫婦というより兄妹の格闘に見えたクライマックスでした。
「わにとかげぎす」に続き本田翼が好演。

「この声をきみに」 竹野内豊が「理屈ばっかりでカタブツのダメダメな中年オヤジ」を好演。
朗読サークルに入ることで生きがいを見つけるというお話です。地味ですが、こういう視聴率
に関係なく良作を作れるのがNHKの強みですね。

「コウノドリ」 医療ドラマの中でも、命の誕生をテーマにしているだけあって、感動するシーン
が多いです。今回は星野源や坂口健太郎、松岡茉優、吉田羊などレギュラーのエピソードが
増えたようで、続編を作る気マンマンなようですね。それにしても、他の動物は自然に誰の手を
借りるまでもなく出産できるのに、人間はなぜこんなに大変なのかと思います。
前作では鴻鳥先生が天才ピアニスト・BABYになるときは金髪になったりしてましたが、今回は
ほとんど変装せず。アレだと病院関係者が見たら、BABYの正体は丸わかりじゃないでしょうか。

3位 監獄のお姫さま TBS 火 22:00
昨年の「ゆとりですがなにか」ほどのキレは無かったにせよ、宮藤官九郎ドラマ。やはり面白い。
クドカンドラマの醍醐味は、どーでもいいような会話の応酬。あの、わちゃわちゃした雰囲気
ですね。今回でいえば、キョンキョンや菅野美穂らの雑居房のシーンですが、アレを見て
「あまちゃん」の海女小屋(もしくは海女カフェ)の渡辺えりや眼鏡会計ババァのシーンを思い
出しました。
姫の冤罪を晴らす動画を見つけた最終回ですが、そんな動画があることは最初の捜査で
わかっていそうなもんじゃないですかね。そのあたりラストへの収束のつけ方がやや雑に
感じました。

2位 陸王 TBS 日 21:00
たぶん、今期最大の話題作。役所広司を久しぶりにテレビドラマで拝見いたしました。
ワタクシ、自分では走らないのですがマラソンや駅伝のファンなので、ドラマのテーマ自体も
とても引き込まれる内容でしたね。ハッキリ言って、ケチのつけようがないほどの名作だと
思うのですが、同じ原作者ということもあってか「下町ロケット」での既視感があるんですよね。
ピエールや小藪がどんなにイジワルをしても、「いやいや、最後に絶対こはぜ屋と茂木は
逆転勝ちするよ」と予想がついてしまう所に、新鮮味がマイナスだったかな。

1位 刑事ゆがみ フジ 木 22:00
今期で一番の推しはコチラ。刑事バディものですが、主役の浅野忠信と神木隆之介のペア
が実に良かったです。浅野はこういうアウトロー的な役柄だとやはりオーラを発しますね。
民放初主演だそうですが、意外でした。
この弓神刑事に振り回される神木も、今まで演じてこなかったような役柄で新鮮味がありま
した。なにかと「バーカ」を連発する下着ドロの斎藤工や、ズルい家政婦の二階堂ふみなど
ちょっとしたゲストの使い方も秀逸。
過去の虚偽報告がバレて交番勤務へ降格となった弓神に、羽生(神木)が「フツー、辞め
ますよね」と言うと、悪びれもせず「(警察は)オイシイので辞めません」。続編を期待します。

深夜枠は・・・

3位 ワカコ酒3 テレ東 火 26:25
2位 フリンジマン テレ東 土 24:20
1位 ぼくは麻里のなか フジ 月 24:25

今期の深夜ドラマは全体として不調。
最近の傾向として、ネット配信用に製作したドラマを、配信後に深夜ドラマとして放送している
ものも多いようですね。その場合、ダイジェストになっていることもあるようなので、面白く
ないのはそういったこともあるのかなぁ。
ワタクシ、ネットでドラマは見ないので。

各賞は・・・

主演男優賞 役所広司(陸王)
         浅野忠信(刑事ゆがみ)

主演女優賞 綾瀬はるか(奥様は、取り扱い注意)

助演男優賞 風間杜夫(先に生まれただけの僕)

助演女優賞 山本美月(刑事ゆがみ)

美術賞 陸王

撮影賞 陸王

主題曲賞 「いいわけ」 JUJU (この声をきみに)

今期、一番視聴率を取ったのはテレ朝の「ドクターX」だそうです。オレデミー大賞では5シー
ズンめなのでランク外にしましたが、実際には見ていました。しかし、このドラマもワンパター
ン化が目立ち、医療ドラマとしての面白さはなくなってきたように感じます。まぁ、その方が
視聴者は安心して見ていられるということなのでしょうね。
その他、目についたドラマとしては「植木等とのぼせもん」(NHK)。植木等を演じたのが山本
耕史。ビジュアルは全く似せてないんだけど、声や話し方がソックリでビックリしました。山内
圭哉のハナ肇、浜野謙太の谷啓も良かったです。あ、主演の小松政夫役は志尊淳。
「民衆の敵 世の中、おかしくないですか?」(フジ)。舞台となる市がどれだけ大きいのかわ
かりませんが、市会議員選挙をテレビ中継する所なんてあります?一つのスキャンダルや
政策に市民全部が賛成に回ったり、リコール運動を開始したり、有権者はそんな単純なもん
じゃないでしょう。民衆を一番バカにしていたのはドラマ制作者(テレビ局)だったりして。
主演キャストの都合で大きくドラマが変わってしまったのが「今からあなたを脅迫します」
(日テレ)。結婚も妊娠も自由ですが、仕事の契約をしている間はそこは計算しといて欲しい。
敵地に乗り込もうとするクライマックス、「お前は危険だからココでクリスマスの飾りつけを
しといてくれ」なんて言われる主人公あります?少なくともアクションシーンがあるドラマだ
ってのは撮影前にわかっていただろうに。仕事選んでください。
「オトナ高校」(テレ朝)。三浦春馬、黒木メイサ、高橋克実、竜星涼などのキャストは良かった
と思うのですが、なんかイマイチ空回りしてた感じがあります。青春ドラマのパロディよりも、
「ラブホの上野さん」や「フリンジマン」のようなハウトゥー形式をとった方が面白くできたの
では?

年明けに年間大賞の発表です!

メガ95


「なんだー。このボタンちょっと押してみるんだな。うーん、なんだー。」



にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へ
にほんブログ村


にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ