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門番の退職金を農兵隊が負担?

久しぶりに「里正日誌」を読んでみます。
前々回の記事で、横浜の農兵について勉強しましたので、再び多摩の農兵について
「里正日誌」の農兵に関する記述の部分を拾い読みしてみました。
すると、慶応元年(1865)11月にこんな一文がありました。

 丑11月14日 御支配御代官江川太郎左衛門様御屋敷御門番勧化

   御太刀御連名帳
一 年来私は御門番を勤め、御腰掛において各々様方より格別のご贔屓にあずかり、
 おかげをもちまして無難に御奉公を勤め、ありがたきしあわせと存じております。
 つきましては、私は追々年をとりましてご奉公を勤められなくなりましたので、お暇を
 願い、国元へ引きこもろうと考えております。しかしながら国元は遠く、諸雑用の手当
 はありません。当惑のあまり、今までのご厚情も顧みずご一統様方へ御無心を願い
 ますので、多少に限らずご助力のほど偏に願い上げ奉ります。以上。

   慶応元丑年9月                      御門番 房吉

一金 300疋                       和泉屋健蔵
一金 300疋                       植木屋藤兵衛
一金 5両                         八王子組合
一金 5両                         藤澤宿組合
一金 5両                         日野宿組合
一金 3両                         駒木野 小佛組合
一金 1両2分                      日蓮村組合
一金 1両                         中野村組合
一金                            五ヶ市村組2合
一金 300疋                       檜原村
一金 1両                         樋川村組合
一金 2両                         青梅村組合
一金                            拝嶋村組合
一金 1両2分                      蔵敷村組合
一金                            田無村組合
一金                            木曾村組合



房吉という人が、長い間江川代官屋敷の門番を勤めていたんですね。この屋敷とは
芝新銭座だと思います。場合によっては、本所南割下に屋敷があった頃から門番を
勤めていたのかもしれません。
その房吉さんが老齢を理由に門番を引退したいそうです。ところが、引退をしても
故郷に帰る金がない。故郷は遠いし、どうしよう・・・。そうだ、支配地の村々のみなさん
にお願いして退職金を捻出してもらおう!
というのが、書状の趣旨です。
房吉さんは江川家の家臣とか代々奉公しているというような身分ではなく、どこか支配地
の村から勤めにやってきていたのでしょうね。
引退する時点でも蓄えがないとは、江川家の給金はそんなに低かったのでしょうか?

さてさて。そこで、支配地の村々では房吉さんへの退職金を用意することにしました。
記事のタイトルにある「勧化」とは、勧進と同じ意味。現代風にいえば寄付です。
9月に房吉さんが寄付を訴え、11月にそのお金が集まったようです。
私が注目するのは、その寄付をした村々の単位が農兵組合であるということです。
一部金額が記載されていない組合もありますが、すべて江川支配地の農兵組合で
負担しているところが面白いですね。
檜原村は組合となっていませんが、ここは1ヶ村で農兵隊を組織していました。

私は最初、房吉さんがどこかの組合に所属する農兵で、村から派遣されてきていたの
かと思ったのですが、たぶんそうではないでしょう。
房吉さんは老齢のため引退したいと言ってますが、農兵は村役人の兄弟や次三男で
年齢は20代から30代前半が主流です。ちょっと合わない。
それと、以前ブログにも取り上げたと思うのですが、慶応3年の暮れ、代官所が代官
屋敷に農兵を常駐させようとしたところ、村では「それは地域自衛の農兵の主旨に反
する」と反対意見が起こり、怒った代官所が野口村と後ヶ谷村の名主を宿預けにする
という事件が起こります。
房吉さんの引退はその2年前ですが、この事例から見ても農兵に門番をさせていたとは
思えません。

村々を束ねていた組合としては他に改革組合村(寄場組合)がありますが、これは天領、
私領に関わらず防犯上の理由で近隣の村々を取りまとめたもの。房吉さんの引退は
江川代官所のことなので、支配地域だけをまとめた農兵組合が前面に出てきたものと
思われます。
しかし、なぜ出身の村々だけでなく、農兵組合全体で寄付となったのでしょう。
また、寄付(勧化)の筆頭に和泉屋と植木屋という2人が出ていることにも注目したい
ですね。この2つの店は村々が加助郷や支配替えなど難しい問題に直面した際に、村々
と代官所の間に入って交渉役を買っていた所です。
おそらく、房吉さんが代官所の門番を勤めるときも、この両名が間に入っていたのでしょう。
そのあたりの事情がわかると、もっと面白いかもしれません。

房吉さんに集められた退職金は、おそらく30両ほどかそれ以上かもしれません。
それを出身の村々(組合)だけではなく、代官領全体の農兵組合が負担しています。
やはり、門番勤めに農兵が絡んでいたのかな?
他にこのような事例があれば、見てみたいものです。

メガ107

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新選組漫画 195 芹沢鴨と虎

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お盆休み、みなさんいかがお過ごしですか?
ワタクシは歌舞伎座で「東海道中膝栗毛」のお芝居を観てきました。
お目当てはモチロン、カマキリ先生こと市川中車!
釜桐左衛門の役名で出ておりました。
伝統的な江戸歌舞伎はモチロンですが、この手の新作ギャグ歌舞伎も好きな
ワタクシです。


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横浜歴史博物館 「戊辰の横浜」展

Twitterのフォロワーさんからの情報で、横浜歴史博物館で幕末関連の企画展がある
ことを知りました。題して「戊辰の横浜」
この中で横浜の農兵隊についての展示もあると知り、多摩の農兵隊を調べていく上で
何か参考になることもあるのではないかと思い、先日の休みに行ってまいりました。

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サブタイトルの「名もなき民の慶応四年」とあるように、民衆の側から見た戊辰戦争や
明治維新前後の様子を知ることができるワケです。この中に農兵隊も含まれるワケ
ですね。

いつもは空いている平日に美術館や博物館に行くワタクシが、わざわざ休日に行った
のは、学芸員さんのガイドがあるからでした。
展示は3部に分かれておりまして、

①新政府軍が横浜にやってきた
②幕府代官編成の農兵 綱島農兵と川崎農兵
③治安と支配 上野戦争前後


という編成になっております。

ガイド解説の始まる1時間前に着きましたので、ぐるっと一回りして先ずは展示品や解説
を一通り見学。展示品のほとんどは古文書の類なので、一見すると地味な印象ですが、
書かれてあることは今まで知らなかったことばかり。
非常に興味あることばかりです。

14時になり、学芸員さんのガイドがはじまりました。
見学者は40人ほどもいたでしょうか。最初に展示品を見ておいてよかったです^^;

先ずは①のコーナー。
鳥羽・伏見の戦いのあと、新政府軍は江戸へ向けて進軍してきますが、横浜へは東海道軍
と東征大総督有栖川宮熾仁親王の一行が通行していきます。
その様子を戸塚宿の記録で知ることができます。
戸塚宿の定助郷を務める鍛冶ヶ谷村(栄区)の小岩井家の記録によれば、同宿には計12
藩、5500人の新政府軍が三日間に渡って通行し、それに対応するために2000人余りの
人足が継立に従事したということです。
学芸員さんが仰るには、近隣だけではなく離れた村々からも人足を求めたそうです。この辺り
は東大和市域の村々も蕨への助郷を命じられた経緯と似ています。
この東征軍御一行の行列を、なんと当時15歳の郁之助くんという少年がオールカラーの
絵巻物に描いて残しています。これが非常に細かく描かれていてビックリします。資料として
もかなりの価値があるのではないでしょうか。
これはぜひ、ご覧になっていただきたい!

また、東征軍の進軍に先立って、鳥羽・伏見の戦いに敗れた会津兵が敗走する様子を書いた
古文書も展示されています。それによると、会津兵らは草履、下駄を履き、鎗や刀は鞘もなく、
紙を刀身に巻いていた状態だったそうで、生々しい様子が感じられます。

東征軍通行を円滑に行うために働いたのが、武州金沢藩米倉氏(藩主・米倉昌言)と韮山代官
江川氏(当主・江川英武)で、戸塚~神奈川宿を米倉氏、神奈川~品川宿を江川氏が賄い方
を担当したとのことです。
「里正日誌」によれば、江川英武は新政府に恭順するため上京していますが、残された代官所
ではこんな仕事をさせられていたんですね。この担当地域は江川氏の代官支配地域ではない
ので、元々の支配地域である多摩の村々はこの状況をどう思ったのか、興味のある所です。

さらに興味深く思ったのは、川崎宿の賄い方下役を務めた市場村名主の添田七郎右衛門が
その功績を認められて、江川氏から苗字を名乗ることを許されているんですね。川崎は江川氏
の支配地域ではないけれど、賄い方を江川氏が務めていたため江川氏が許したとのこと。
こういう例は初めて知りました。

②はいよいよ農兵の話。ワタクシにとってはメインディッシュ。
横浜市域には綱島農兵隊、川崎農兵隊(呼称は便宜上)という2つの農兵隊がありました。
これは綱島村寄場組合、川崎村寄場組合という文政の改革組合村を基に編成されたようで、
多摩の蔵敷村組合や田無村組合のように、農兵のために新たに編成され直したものではない
ようです。
農兵隊結成の契機となったのは慶応2年(1866)6月の武州世直し一揆で、多摩農兵隊が
一揆鎮圧に活躍したのを見て、当地の代官今川要作が取り立ての意向を示します。組合村
でも取立願いを提出し慶応3年(1867)1月に結成されました。
ただ、綱島村では世直し一揆の際、日野宿農兵隊と連絡を取り合い、多摩川の渡船場警衛
についているので、元々の自衛意識は高かったものと思われます。

今回の展示では、日野宿名主・佐藤彦五郎の日記の一部も展示してあります。
慶応4年(1868)1月、彦五郎の日野宿農兵隊は横浜で20挺の元込め小銃を買いつけ
ますが、それは長尾村の人物(具体的には不明)の伝手によるものだったそうです。
時期的には鳥羽・伏見の戦いの直後であり、日野農兵隊は独自の行動をとりますが、
そこに川崎周辺も何らかの関係を持っていたことを窺わせます。

綱島・川崎両農兵隊とも、小銃は代官からの支給ですが、かかる経費は村負担という所は
江川農兵隊と変わりません。目的が地域自衛という所も一緒です。
しかし、彼らは代官以外に神奈川奉行の支配も受け、有事の際には横浜の港やその周辺
も警衛する役目を負っていました。
蔵敷村組合農兵では2回ほど臨時で観音崎台場の警衛に行かされたり、芝新銭座の代官
屋敷に詰めるように命令がありましたが、村では免除の願いを出していました。この辺りは
違いがあったようですね。
庄内藩による薩摩藩邸焼討事件の際には、逃げてきた薩摩藩邸の浪士2名を綱島農兵隊
が取り押さえるという手柄も取っています。

また興味深いのは、江戸城開城前の3月12日に横浜市域に入った新政府軍の岡山藩が
農兵隊の銃を回収していったということです。これは綱島・川崎の農兵隊だけではなく、周囲
の村々の獣害対策用の火縄銃まで回収し、さらには農兵隊の制服などまで持って行ったと
いうのですから、かなりの念の入れようです。このことによって、事実上農兵隊は解散。
蔵敷村組合でも、戊辰戦争終結後からしばらく経った明治3年(1870)4月に政府が銃の
回収を行いますが、このような早い時期に、しかも岡山藩という一藩がこのような行動を
とったというのは面白いですね。どのような理由があったのでしょうか?

③は上野に屯集した彰義隊が、ときどき横浜にもやってきて、献金を求めてきた資料などが
目を引きました。
村々では一応要求には答えるものの、要求額を一部に押さえて支払うなどしてやりすごした
ようです。これも東大和市域に振武軍がやってきたときと同じ対応ですね。
中にはニセ彰義隊もあったようで、ニセモノだとバレたときには人足たちから制裁を受けて
しまったとか。きっとボッコボコにされたんでしょうね。悪いことはしちゃダメです。
さらには正体不明の報恩隊という部隊や、仁義隊なども金銭を要求。仁義隊は「里正日誌」
に出てきた八王子に屯集して、村々から献金を要求した部隊と同じ隊でしょうか。

ざっと、こんな感じの企画展。
もっとたくさんの内容がありますし、展示品もゲベール銃やミニエー銃、上野戦争の錦絵など
もあり、充実しております。
学芸員さんも仰っていましたが、今回の企画展には一般的に有名な人物は出てきません。
(かろうじて江川英武あたり?)また、横浜は戊辰戦争の戦闘の舞台にはなっておりません。
ただ、そんな中だからこその、リアルな民衆の視線から見た幕末・維新を感じられたような
気がいたしました。
学芸員さんのお話で、多摩と横浜の農兵の比較ができて余は満足。

お近くにお住まいの方はぜひ!
(まぁ、ワタクシは車でちょい渋滞有りーので、片道2時間かかったけどね)


                                    

前回の記事でご案内した江戸楽アカデミー講座 「世間を騒がせた江戸の女性たち」 は
おかげさまで申込み数が上限いっぱい、SOLD OUTになりました。
ありがとうございました。ガンバリマス!


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江戸楽アカデミー「世間を騒がせた江戸の女性たち」

先日、東大和市内の公民館グループのご依頼で、「東大和市の農兵」の講座を
行いました。市民向けの講座で、あまり市外への告知もしていなかったのですが、
どこで聞きつけたのか都内からいらっしゃった方もいたり、またTwitterで日にち
を知りませんでしたというフォロワーさんがいたりで、感謝するやら心苦しいやら
でした。

というわけで、この先、ワタクシが講師を務めさせていただきます講座やまち歩き
ガイドで、一般参加者向けのものはコチラのブログでも告知させていただくことに
いたしました。

今回ご案内いたしますのは

江戸楽アカデミー 2018年 夏期・秋期講座
世間を騒がせた江戸の女性たち

②八百屋お七 芳年a

開催日時 2018年9月8日 10:30~12:30
会場 小学館集英社プロダクション・SP神保町第3ビル
    (東京都千代田区神田神保町2-18)
講師 関 一成
受講料 3、240円
定員 38名
講座内容 "江戸時代、広く世間を騒がせたさまざまな女性たちを取り上げて、軽妙な
トークを織り交ぜながら講師独自の視点で解説をします。八百屋お七をはじめ、数々の
心中事件や歌舞伎にもなった出来事など、お題の学習にも役立つ江戸の女性にまつわる
事件簿です。(2018年春期定員超のため追加実施・内容は同じです)

今年、「江戸文化歴史検定試験」のお題(出題テーマ)が「江戸のヒロインたち」ということ
になっておりまして、コチラの講座は受験対策を意識した講座になっております。
とはいうものの、特に受験を考えていらっしゃらない方でも十分に楽しんでいただけるよう
な内容になっております。

取り上げるのは、よみうり(かわら版)やお芝居に取り上げられた事件を起こしたり、話題
となった女性です。
上の写真の八百屋お七や、江島生島事件の江島など大きな事件の中心となった女性。
また、曾根崎心中や心中天網島など、心中ブームを作った事件の真相などなど。

また事件を起こした女性だけでなく、美人として話題をさらった女性もご紹介。
⑭寛政の三美人a
寛政の三美人を描いた「当時三美人(喜多川歌麿)」

幕末開国後の騒動の犠牲となった女性にもスポットを当てます。
コチラは「ふるあめりかに袖は濡らさじ」の歌で知られる喜遊。
⑱喜遊 芳年a
画・月岡芳年

ご興味のある方、お申し込みは、「江戸楽アカデミー」のHPをご覧ください。
江戸楽アカデミー クリック!


                        

先日、ワタクシ自らの不注意で効き手をケガしてしまいまして、傷もさることながら、
右手が「スタルヒン投手愛用のグローブ」くらいに腫れ上がってしまいました。

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そんなワケで、今回はイラスト無しってことで。
生まれて初めて破傷風のお注射したわさ・・・(涙)



江戸検のお受験を考えていらっしゃる方はコチラをどうぞ。
※ワタクシの講座受講には必要ありません。


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オレデミー大賞 2018年中間発表 4月期

4月期は、コメディタッチのドラマに佳作が多かったように思います。

10位 デイジー・ラック NHK 金 22:00
 9位 あなたには帰る家がある TBS 金 22:0
 8位 モンテ・クリスト伯 華麗なる復讐 フジ 木 22:00
 7位 ヘッドハンター テレ東 月 22:00
 6位 シグナル フジ 火 21:00
 5位 ブラックペアン TBS 日 21:00
 4位 崖っぷちホテル 日テレ 日 22:30

「デイジー・ラック」30歳手前女子の同級生4人、そのなにげない日常ドラマ。パン職人
を目指す主人公の佐々木希と、その友人らの仕事と恋愛事情。これが現実をリアルに
描いているのかおっさんにはわかりませんが、わりとこういう地味なストーリーのNHK
ドラマは好きです。
佐々木希は結婚してから、芝居が上手になった感じがします。
20代女子4人のドラマって括りで「いつかティファニーで朝食を」を彷彿させましたが、
たぶん両方のドラマに徳永えりが同じような役柄で出ていたからでしょうね。彼女は
派手さはないですが、演技の幅が広くて私の大好きなバイプレイヤータイプの女優です。
今後も期待しております。

「あなたには帰る家がある」タイトルは沢田研二往年の名曲「LOVE 抱きしめたい」の
歌詞みたいですが、全編に渡る木村多江のストーカー恐怖劇場がドラマの正体。
薄幸美人顔と云われる木村多江がストーカーになると、いろんなモノを背負っていそう
で怖さ倍増します。玉木宏は「残念な夫。」とほぼほぼ同じ設定。似合うわ、こういうキャラ。

「モンテ・クリスト伯」これもある意味コメディですよね。海外の古典小説を、なぜ現代の日本
に置き換えてドラマにしなきゃならないのか?リアル感が薄くなるのは当然で、ドラマの
世界観が「お金をかけた学芸会」みたいに感じます。だいたい、真海(ディーン・フジオカ)に
会った人が誰一人として、昔騙してこの世から抹殺した昔の友達と気づかないってのは、
どうよ?そんなにビジュアル変わってないじゃない。

「ヘッドハンター」テレ東がドラマBizという新シリーズドラマ枠を作りました。タイトルからして
ビジネスシーンを舞台にした連続ドラマを作っていくのでしょうね。その第一弾がこのドラマ。
徹底してクールな話を作っていこうという意思は感じられました。かつてのテレ東の名作
ドラマ「刑事追う」を目指して頑張っていただきたい!

「シグナル」過去と現在が交錯し、未来が変わっていくという、漫画やアニメだとよくあるような
設定ですが、ドラマとなるとやや分かり辛いですね。北村一輝演じる刑事がどうなったのかと
いう縦軸がドラマを引っ張っていましたが、警察が自らの利益を守るため無関係の人を殺す
というのは、さすがにありえない話でリアリティに欠けます。原作は韓国とのことで、かの国では
そんな話もリアリティがあるのかもしれませんが。

「ブラックペアン」前期の同枠が「99,9刑事専門弁護士」でなかったら、敵役の大学教授は
市川猿之助ではなく、中車こと香川照之だったのでしょうね。カエサルとかダーウィンとか手術
支援ロボットが出てきて、医療ドラマというよりSFドラマみたいでした。まぁ、手術シーンの苦手
なワタクシにはそのぶん、見やすかったです。ロボットを遠隔操作する二宮和也はゲームしてる
ようにしか見えないと、ネットの書き込みにありましたが(笑)

「崖っぷちホテル」往年の名作ドラマ、田宮二郎主演「高原へいらっしゃい」を思い出された方も
多いのではないでしょうか。街から離れたところにあるツブれかけたホテルを、従業員たちの
アイデアと熱意で再生していくという展開は同じ。「崖っぷち」の製作者は明らかに「高原へ」を
意識しているでしょう。ただ、「崖っぷち」は従業員役に野生爆弾くっきー、チャド・マレーン、
宮川大輔らを起用し、完全にコメディ狙い。また、「高原へ」では田宮二郎のマネージャー自身
の人生の再生も大きなストーリーの柱でしたが、「崖っぷち」ではそこまで登場人物の人生は
掘り下げられておらず、ライトな仕上がりに作られていました。そのため、ドラマ全体に通ってい
る縦軸がやや弱い感じもありましたが、コメディとして作っているのでそれは成功だと思います。

3位 やけに弁に立つ弁護士が学校でほえる NHK 土 20:15
学校での揉め事を法律の面からアドバイスするスクール・ロイヤーとして、とある中学校に派遣
された神木隆之介弁護士が、学校での納得のいかない諸問題にテッテイ的に噛みついていく
というお話。理屈っぽい神木隆之介に対して、これまた最近理屈っぽい役柄が多い田辺誠一が
また噛みつくという、たぶん展開としては地味で堅苦しい話なのでしょうが、芸達者の二人なの
で台詞の応酬に引き込まれます。学校という教育の場に法律家が介入せざるを得ないのが、
当世のリアリティなのでしょうか。

2位 おっさんずラブ テレ朝 土 23:15
今期一番の快(怪)作と言ってもいいでしょう。田中圭、林遣都、吉田綱太郎、眞島秀和、男
4人の絡み合う恋愛模様。LINEの最後を「・・・だお」で〆る吉田綱太郎の可愛さ、いじらしさ、
突然のモテ期(男だけど)来襲にパニックしまくる田中圭、深夜に爆笑させてどうしようというん
ですか、テレ朝さん!
それに眞島秀和は前期の「隣りの家族は青く見える」でも同性愛者の役。ドラマ界では彼をゲイ
として定着させようという動きでもあるのでしょうか?
この手のドラマって、茶化しちゃいけないって自己規制が働いて、重いシリアスな話に陥りやす
い傾向があると思うんですが、こうしてコメディ仕立てにして、しかもそれが自然に受け入れら
れるオフィスが舞台なんて感じにすると、見ているコチラも「そういう生き方の有りなのかな」と
いう考えになってきますね。啓蒙という点でも効果的かも。
最初同性愛なんて考えられないと思っていた田中圭が、幼馴染の内田理央に告白されても、
林遣都を選んだあたりの気持ちの変化を、もうちょっと掘り下げてくれると良かったと思うお!

1位 コンフィデンスマンJP フジ 月 21:00
徹底したコメディと、マシンガンのようなセリフの応酬、主演長澤まさみのキレにキレたキャラ
クター、視聴者も詐欺にかけようとする二転三転の構成、文句なく今期のオレデミー大賞です。
ネタバレになりますが、最終話が第1話の直前の話、つまりエピソード0だったというオチも
やられたと思いました。4人目のレギュラーとして2話から登場した五十嵐役の小手伸也が、
すごくいいアクセントになってました。「真田丸」の塙団右衛門を演じてた人ですよね。キャラを
作るのがすごく上手そう。「アウト×デラックス」に出演したとき、まだテレフォンオペレーターの
アルバイトをしていると言ってましたが、もっとドラマで見たい人です。

深夜枠

3位 やれたかも委員会 TBS 火 25:28
2位 スモーキング テレ東 木 25:00
1位 宮本から君へ テレ東 金 24:52

「宮本から君へ」池松壮亮がドラマの中で寒中の海に飛び込んでいく、自らバリカンで丸刈り
にするなど衝撃のシーンいっぱい、とことん自分を追い込む暑っ苦しいキャラクターにお腹
いっぱい。内容的には映画にしてもいいクオリティだと思います。蒼井優の使い方、贅沢。
「宮本」と「スモーキング」に両方、キーマン的な役どころで出ている高橋和也。今期のテレ東
深夜枠は和也祭りでした。

個人賞、各賞。

主演男優賞 田中圭(おっさんずラブ)

主演女優賞 長澤まさみ(コンフィデンスマンJP)

助演男優賞 林遣都(おっさんずラブ)

助演女優賞 木村多江(あなたには帰る家がある)

新人賞 今田美桜(花のち晴れ TBS 火 22:00)

美術賞 スモーキング

撮影賞 宮本から君へ

主題曲賞 「幸せって」 Crystal Kay(デイジー・ラック)

他に 「正義のセ」は同じ検事モノってことで、「HERO」に重ならないように主演の吉高由里子
を敢えて、庶民的でペーペーのキャラにしたのだと思いますが、ちょっと軽くなり過ぎた感じ
がします。
「Miss デビル 人事の悪魔・椿真子」菜々緒のドSキャラが大好きならば。
「花のち晴れ」こんなヒドい設定の学園ドラマないですよ。学校が舞台なのに先生が全く出て
こない。いくらフィクションったって・・・。
「ラブリラン」中村アンと大政絢、古川雄輝が好きならば。
「家政夫のミタゾノ」第1シリーズではどうしても違和感のあった松岡昌宏の女装が、いつの間
にか自然に見えてきました。・・・慣れって恐ろしいですね。このドラマの撮影中に例の山口
メンバーの事件や記者会見があったのかと思うと、松岡の精神力スゴイね。
「いつまでも白い羽根」看護師研修生役の一人が、ゲスの極み乙女。のほないこか(さとう
ほなみ)だったとは!全然わからなかった!

7月期のドラマも次々と始まっていますね。
初回を観た中では、キャストも新しくなった「刑事7人」、設定が大幅に変わった「絶対零度」の
シリーズドラマ。そして佳作の多い日9枠。「この世界の片隅に」辺りが面白そうな感じです。

メガ105



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